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2019/09/26~2019/10/09のつぶやき

2019/10/09

 

反対語・類義語など、関連づけて覚えた方がいい理由

 

「学習が非常に速い」

 

グループ内の言葉を覚えてもらう実験です(Murphy & Allopenna,1994)。

 

① 「集団で生活する」「軽いかばん」…等々のいくつかのことばのグループ。

② 「氷上を走る」「ノルウェーの道」…等々のいくつかのことばのグループ。

①には、ことばどうしに何の関係もないものを並べ、②は、ことばどうしに関係の付けられるものを並べました(※)。

 

すると、①に比べて②のグループを覚えるのが非常に速かったという結果がでたのです。

 

これは、意味どうしに関連づけがあると、そのグループのことばを非常に速く覚えるということを示しています。

 

次の例のように、

 

ことわざや慣用句などで、似た意味や反対のものを同時に覚える。

同じ部首の漢字を同時に覚える。

漢字の例文を関連づける(例:近所に広い「庭」がある。そこで「追」いかけっこをした。)(「庭」・「追」は3年の漢字)

地理の学習(例:和歌山や愛媛は暖かい。だからみかんがとれる)(原因と結果による関連づけ)

 

などと、応用できることはたくさんあります。保護者がいっしょに教えてあげるのもいいですし、市販の参考書の中にも、不十分ですが、このような工夫をしたものがあるので、選んでみてもいいでしょう。

 

(※)ことばの長さや構造は、同じになるようにしてあります。

 

2019/10/08

 

保護者に大切メタメタ認知

 

「勉強についての自分の考えを検証しよう」

 

知能を語るときに最近よく使われる「メタ認知」という言葉があります。これについては何度か触れました(※)。

 

「認知」とは「知ること」です。ここでの「知る」には、覚える、理解する、勉強する、学ぶという意味も含まれています。例えば、漢字を覚えることも「認知」です。

 

「メタ認知」は、「知ることについて知ること」です。上の例で言えば、「漢字を覚えることについて、知っていること(知識)」が「メタ認知」です。したがって、「何回も書くと漢字を覚えるはずだという知識」は「メタ認知」です。先生や保護者がこのメタ認知を持っていると、何回も書く宿題を出します(でも、子どもはメタ認知が十分に発達していないので、覚えようとは考えずに、早く終わらせようとします)。

 

さて、この例で続けると、「何回も書くと漢字を覚えるはずだ」という知識(メタ認知)を、検証して正しいかどうか知ることが「メタメタ認知」です。

 

「メタ認知」自体が間違っている場合もあります。間違ったメタ認知のまま行動したり教えたりしてもよい結果は生まれません。「先に問いを読んでから文章を読むのがよい」、「ひたすら解き方を覚えれば算数の力が上がる」などという、時には信念のようになっている「メタ認知」を、さらに上から見て、正しいかどうかを「知る」、「メタメタ認知」は、特に教える立場の人間にとって必要なことですし、自分自身にとっても大切なことだと思います。

 

※ 勉強法—今日のつぶやき—back number 1,  2018/08/05

    勉強法—今日のつぶやき—back number 3,2019/03/22など。

2019/10/07

 

もっと国語力をつける(SQ3R法の応用 その1)

 

「表題と最後の文から問いを考える」(偏差値60以上を取ることはあるが、安定しない6年生向き)

 

「問題提起(問いかけ)に注目する」、という方略があります。例えば、本文中に「コミュニケーションをうまくするにはどうしたらいいのでしょうか?」という文があると、これに注目します。そして、答えが何かを読み取るようにすると、文章が理解しやすくなります。塾で教えている場合も多いですね。
ただ、どの文章にも問題提起の文があるわけではありません。そこで、「先に出典(表題)と最後の文を読む」という先行オーガナイザーを利用した方略(※)と組み合わせます。
文末の出典と最後の文から自分なりに問いを立て、その問いの答えを自分で考えたりさがしたりするつもりで文章を読むのです。出典が『きみたちはどう生きるか』だと、問いが比較的立てやすいですね。「家庭科を学ぶ意味は、 技術的なことだけではないのです。」という最後の文なら、家庭科は何のためにやるのだろうか、という問いが立てられます。
最初は問いを立てるのに苦労しますが、徐々に慣れてきます。その問いの答えを考えるつもりで文章を読めば、飛躍的に読解力が上がります。成績も偏差値60以上で安定するでしょう。
これは、SQ3R法(Robinson,1962)を応用した方略です。SQ3R法自体は、大人の読書を想定したものですが、読解力アップのための様々な示唆が得られます。
※ 2019/06/15のつぶやきをご参照ください。

2019/10/05

 

入試の受け方

 

「簡単な問題から先にやる理由」

 

図は、ヤーキーズ・ドットソンの法則(1908)で、緊張の度合いと問題のできかたとの関係を表したものです。簡単な問題(点線)は、強く緊張していても解けるけれど、難しい問題(実線)は、強く緊張すると解けなくなることがわかります。

 

入試では緊張します。従って、緊張していても解ける簡単な問題からやるのです。問題が解けることによって気持ちがほぐれ、ほどよい緊張感になる効果も期待できます。図からわかるように、ほどよい緊張感の時に難しい問題がいちばん解けるのです。 

2019/10/04

 

なぜ語呂合わせは覚えやすいのか

 

「俳句短歌調で、イメージしやすいものを」

 

大化の改新虫殺し(645)、鳴くようぐいす平安京(794)、いい国作る鎌倉幕府、などは覚えやすいですね。

 

理由の一つは「語呂」というだけあって、日本人に親しい俳句調のリズムがあるからです。これは、ことわざなども同じです(針の穴から天井覗く、犬が西向きゃ尾は東、亀の甲より年の功、など)。

 

また、数字自体は無意味ですが、それに意味を持たせることによって(有意味化)、覚えやすくなるということもあります。漢字の意味を理解しないで形だけで覚えようとすると、なかなか覚えられませんが、部首の意味や、熟語や例文とともに覚えるとよいのと同じです。

 

さらには、視覚イメージ化が行われています。「虫殺し」によって、(悪党?である)蘇我氏を滅亡させたことがイメージできます。「うぐいす」によって(平等院のような)平安時代の優雅な庭園や、そこで和歌を読んでいた貴族たちが、「いい国つくる」によって、初めて武家政権をつくった源頼朝の意気込みが、イメージできます。

 

2019/05/05のつぶやき(back number4)でも語呂合わせを奨めましたが、できるだけ「5音や7音を使って」、「その光景がイメージできるように」作るといいでしょう。

 

2019/10/03

 

読み聞かせのかんちがい 

 

「子どもが黙読中に横で音読しない」

 

子どもが自分で読むようになるまで、読み聞かせはとてもいいことです。また、詩ややさしい物語を声に出していっしょに読んであげるのもいいでしょう。けれど、こどもが黙読できるようになってから、難しい文章(テキストの場合もある)を保護者も手伝って音読するのは避けた方がいいですね。親切心があだになりかねません。

 

難しい文章を横で音読されると、黙読のペースが乱され、かえって理解できなくなるからです。聞くだけや読むだけよりも、「読みながら聞く」場合の方が理解や記憶がわるくなります(Sannomiya,1982)。

 

黙読は一人でしてもらいましょう。

2019/10/02

 

算数みたいに教えるな  その1

 

算数(理科・社会)は、勉強したのと同じ問題が入試に出ます。また、文章(問題文)も同じです。そこで、教え方が、「教師が解き方(あるいは知識)を教える→生徒はやり直しをする・類題を解いて自分で答え合わせをする(→やり直しをする)」ということになります。

 

国語は同じ文章がでません。だから、教え方は自ずと異なります。

 

にも関わらず、どの塾も、教授システムの設計が、算数(理科・社会)と国語が同じです。「読み方を教える」という視点が抜けているのです。

2019/10/01

 

一斉授業の塾か個別指導の塾か その16

 

「テスト期待効果なら、一斉授業の塾」

 

テストを受けるだけで記憶成績が向上する「テスト効果(※)」については、以前につぶやきました。また、テストを行わなくても、テストを予期するだけで記憶成績が上がる「テスト期待効果(Szupner,Mcdermott& Roediger,2007)」もあります。

 

この点では、テストの多い一斉授業の塾がよいでしょう。個別の塾は時間単価が高いこともあり、テストを行いにくいからです。

 

※ 「勉強法—今日のつぶやき—back number1,2018/06/03;back nuber2,2018/11/28」をご参照ください。また、Roediger & Karpicke,2006によると、教材を読んだ直後に「テストを受けたグループ」と「もう一度教材を読んだグループ」とでは、前者の方が2日後のテストの成績がよく、一週間後では、さらに差が開いたと報告しています。  

2019/09/30

 

蛍光ペン

 

「控えめに」

 

目立たせることによって記憶に残りやすいという「孤立効果(von Restorff,1933」を応用したのが蛍光ペンです。

 

ただ、蛍光ペンは刺激が強すぎるために、塗りつぶしていないところが後退してしまい、塗りつぶしていないところはかえって記憶に残りにくくなってしまいます。特に国語の読解では、一カ所に塗ることによって、前後の文脈が記憶に残りにくくなってしまいかねないので、使い方に注意が必要です。

 

また、何色も使うと、これも読みづらくなって逆効果です。

 

 

従って、どうしても覚えなければならないところだけに使うなど、控えめに使う方が効果的でしょう。

2019/09/29

 

線引き

 

「引くための指導が必要」

 

① 重要なところにすでに線が引かれた文章を読む。

② 文章を読みながら重要だと思われるところに線を引きながら読む。

③ 線を引かずに文章を読む。

 

①と②の条件が、③よりよい結果が出ています。重要なところをよく覚えているのです(魚崎、伊藤、野島;2003)。

 

では、②のように線を引きながら読めばよいのか? 答えはそう簡単ではありません。②だけは、内容を理解するための読解時間が余分に必要になるのです(同上)。また、効果が出るためには、線を引いたところところを読み返す時間も必要です(三宮;2008)。

 

従って、線引きを効果的にするためには、次の2条件が必要です。

 

A 重要なところを見分けるための技術があること。(線を引きすぎては意味がありません。)このためには、「要約の手順」が参考になるでしょう(※)。

B 内容を理解するための時間と、線を引いたところを読み返す時間を確保すること。

 

A、Bを子どもに教えるためにある程度時間を費やした上でなら、線引きの効果が出てきます。

 

 

※ 「勉強法—今日のつぶやき—2019/09/21」「勉強法—今日のつぶやき—back number3;2019/01/19」等をご参照ください。

 

2019/09/28

 

偶発学習(incidental learning)

 

「無意識に覚える」

 

よく見聞きする広告やタレントを知らない間に覚えたりします。昔からの勉強法で、覚えたいことを壁に貼るのもそうです。

 

偶発学習は案外捨てたものでなく、社会が苦手な子にはずいぶん効果がありました。山地・平野・産業などが書かれている地図を覚えるか、それともその地図を模造紙に描くかを選ばせると、描く方を選びます。それを教室に張っておくと知らない間に覚えました。偶発学習と自己選択効果(※)のたまものといえるでしょう。

 

では、国語に役立つのか? 暗記事項は同じようにできるでしょうが、読解力をつけるのには役立てにくいかもしれません。ただ、読書する子が国語ができるといいます。これには偶発学習が含まれていると思います。

 

田中(2006)は、短大生28名に、デカルトの『方法序説』を、理解しなくてもいいから、なめらかに音読できるように30回読む課題を与えました。『方法序説』は彼女たちには難しいと思われます。しかし、30回読んだ後に、彼女たちは理解したと報告しています。

 

知人は大学の仏文科に編入(3回生の専門課程に入ること)するためにモーパッサンの『捕虜』を原文で全部覚えたそうです。短いものですが、それでも全部覚えようとすると、数ヶ月かかったとのこと。文法書はきらいで、一通り眺めたレベルだったが、編入試験の問題はすべて解けたということです。

 

意識せずに何度もその情報に触れることには意外な効果があります。

 

 

※自己選択効果…自分で選んだものは、人に選ばれたものより、2倍程度よく覚える効果。渡邊(2011);高橋(1989)。「勉強法—今日のつぶやき—back nunber1;2018/08/19」参照。

2019/09/27

 

睡眠学習?

 

「寝る前に覚える2」

 

以前、暗記科目は寝る前にやった方がよいとつぶやきました(※1)が、その理由を調べる研究が出ました。睡眠中の、4~5回のレム睡眠(※2)時に、習ったことをすでに知っている知識に関係づけて記憶が整理され、記憶の定着が起こるそうです(Boyce,Glasgow,Williamas & Adamantidis;2016)。

 

受験勉強のスケジュールに生かせます。また、定期テスト直前に徹夜して暗記するよりも効果的です。

 

※1「勉強法—今日のつぶやき—back number 2」(2018/09/24)

 

※2 睡眠中はレム睡眠(深い眠り)とノンレム睡眠(浅い眠り)が交互に現れる。

2019/09/26

 

どれだけ眠ればいいのか 

 

「個人差はあるが…」

 

 

授業中に居眠りをしないように酸素カプセルに入ってから来ている生徒がいました…。そこまでしなくても、適度な睡眠をとれば居眠りをしないと思います。Wolfson & Carscadon,1998が、7時間以下の睡眠だと成績がよくないと報告しています。多少の個人差はありますが、7時間を切らないようにしたいところです。