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2018/5/28~9/08のつぶやき

       2018/09/08

 

         読書感想文実戦記 その2

 

個人名などを消して、本人の了解をとって載せました。

やはり二冊読むと書きやすそうですね。 

         2018/09/07

 

なぜ『うんこ漢字ドリル』が売れるのか。その2

 

抵抗なければ低学年にオススメ。

 

子どもは下品なことばが好きなことが多いからです。

 

かこさとしは、子どもが成長する過程には、悪徳(いたずら等)や低俗(うんこを話題にするなど)に引かれる時期があると言っています(Consultant vol.244)。

 

学術的にも、子どもは仲間と笑い合うために低俗な言葉を口にすると言われています。この時期は4歳から6歳頃までです(友定1993)。

 

小学校一年ぐらいまでですね。だから、低学年ほど売れています(上図。日販 オープンネットワークWIN調べ。横軸は日にち、縦軸は売上。)

1年が2年より売れていないのは、覚えるべき漢字の数か少ない(1年が80字、2年が160字、3・4年生は200字、5年生は185字、6年生が181字)からだと、私は考えています。

 

従って、保護者に抵抗がなければ、低学年にはおすすめですね。

 

高学年でも売れる理由はまた次回…。

2018/09/06 

 

Q:鉛筆回しをしてもいいか?

 

A:入試を受けるなら癖をつけないほうがよい。

(ついていたら仕方なし。)

 

入試はひどく緊張します。緊張すると筋肉が硬くなり、ひどいときは手がふるえます。いつもしている鉛筆回しができなくなるときがあります。

 

できないとどうなるか?

 

ここで9/4の「状態性依存」を思い出しましょう。鉛筆回しに状態性依存がある人は、鉛筆回しが出来なくなると、覚えていたことが思い出しにくくなるのです。だから、初めから、「緊張したときに出来なくなるような癖」は付けない方が良いでしょう。「君子危うきに近寄らず」です。

 

すでにこの癖がついている方(私の知り合いにもいっぱいいます)は、その癖を治すための労力と、直す間の成績低下を考えると、敢えて直さなくても良いでしょう。必ずしも入試の時に出来なくなるわけではありませんから。また、すでに癖がついている子どもに、この話をする必要もありません。かえって不安を煽ることになりかねません。 

2018/09/05

 

なぜ『うんこ漢字ドリル』が売れるのか。

 

その3(中、高学年にもそこそこ売れるのはなぜか)

 

高学年には善し悪し…。

 

普段から下品なことが禁じられている反動があるからです。

特に学校教育は低俗なことをいけないこととして一方的に禁じる傾向があります。

その反動でこのドリルが好まれるのではないでしょうか。

 

友定(1993)は、子どもは低俗な話題を友達同士で笑い合うことによって仲間意識を少しずつ高めていくと言っています。つまり、下品な笑いは社会性を獲得する過程で一次的に必要とされる行為なのです。それを一方的に禁じると、反動が生まれます。※

 

もっとも、高学年になると、もう少し違うやりかたで笑いを生み出すようになります。だから、高学年になってもこのようなドリルを好むということは、やや心配な点もあるのですね。

 

※一方的な教育に対する懸念については、日を改めて…。

2018/09/04

 

音楽を聴きながら勉強してもいいか? その2

 

 

その時だけの効率なら、人によっては気分が良くなったりリラックスできたりして効果が上がる場合もあります。例えば、早く済ませたい課題などに対しては試してみてもいいでしょう(あくまでも個人差はありますが)。

 

しかし、その後に行われるテストで点数を取ることが目的なら、用心した方がいいでしょう。

 

勉強の時に音楽は聴けますが、テストの時は聞けません。

すると、何も聞かずに勉強するよりも、音楽を聴きながら勉強した時の方が、成績が悪くなるからです。

 

Eich & Etcalfe ,1989は、実験参加者を音楽によって楽しい気分または悲しい気分に誘導しながら学習を行わせ、テストをしました。すると、学習したときとテストの時が同じ気分に誘導されたグループが最も記憶成績がよくなったのです。

 

このように勉強したときとテストの時の環境や内的状態(気分など)が記憶成績に影響する現象を「状態性依存」と言います。

 

様々な「状態性依存」があるので、勉強を監督する立場の人は気をつける必要がありますね。

 

2018/09/03

 

キリンの首は?

 

適切な例文を使って覚えよう!

 

「ながい」という言葉を例文を使って覚えるとき、

 

A キリンのくびは___。

B かれのくびは___。

 

AとBとでは、Aの文を使った方が覚えます。

 

「かれのくび」は「ながい」場合も「みじかい」場合もありますが、「キリンのくび」は必ず「ながい」ですね。

 

Aのような文を「意味的限定性」の強い文といいます。意味的限定性が強いと、他の情報と区別できる度合い(差異性)が高く、情報が「精緻化(7/26)」されて、覚えやすくなります(Toyota,2000)。

 

例えば、「電話」という熟語(漢字)を覚えるときには、Aのような例文の方が覚えやすいと言えます。

 

A 家から__が入って、おばあちゃんがころんで骨を折ったと知った。

B 明日__して下さい。

 

Aは「電話」という意味的限定性が強いですが、Bでは、「出発」などのように他の言葉でも使われる場合があり、意味的限定性が低いからです。 

2018/09/01

 

読書感想文実戦記

 

 A君は高校2年生。

「読書感想文書いて!」

「何故?」

「時間ないし、読書感想文は出す方が間違いって言ってたやん。」(7/17)

「時間がないのは君のせい。出すのは間違いでも、俺が書く理由はない。」

 

そもそも本を読んでいるのかと聞いてみると、沢木耕太郎の『深夜特急』が

好きで、読んでいると言う。

「じゃあ、どこでもいいからこれを一章だけ読んできて。」

そう言って、内田百閒の『阿房列車』を貸しました。

 

後日、

「どうだった?」

「結構面白かった。」

「何もしないだろ。」

「うん。名所に案内されても面倒くさいとか言って途中で引き返したり。」

「でも、面白いだろ。」

「うん。なんか面白い。」

「それを、深夜特急の面白さと比べて書けばいいんだよ。」(7/18)

「うーん、やってみる…。」

 

A君が無事に書けましたかどうか?

機会があればご紹介いたします…。

2018/08/28

 

なぜ『うんこ漢字ドリル』が売れるか。その1

 

考えられる一つの理由は、「奇異性効果」です。

 

「ねえさん」という言葉を覚える課題があるとします。

 

A 「____は スカートを はいています。」

B 「____は ひげを はやしています。」

 

A、Bの例文では、Bの方が「ねえさん」と言う言葉をよく覚えることが

わかっています(Toyota,2002)。

 

上記のドリルは、たとえば、「雪おんなの うんこは こおりかな?」

という例文を使って、「女」という漢字を覚えさせようとしていますから、

「奇異性効果」があり、覚えやすくなる。

したがって、評判が高まることが売れる理由の一つと考えられます。

2018/08/27

 

学習後のテストが理想

 

A 「学習」→「初期テスト」→「最終テスト」

B 「学習」→「再学習」   →「最終テスト」

 

これまでの研究によって、

長期的にはAの方が成績がよくなることがわかっています。

 

さらに、「学習」と「最終テスト」の間隔が長いほど忘却が進んで

「最終テスト」の成績が下がりますが、Aの方はあまり下がらない

こともわかっています。

 

また、「学習」と「初期テスト」の間隔は短い方が「最終テスト」の成績

がよくなることもわかっています。

 

追加(2018/09/04)

さらに、再学習のくり返しは短期的、初期テストのくり返しは長期的な最終テストの成績をよくすることもわかっています。

(以上 林 2012)

 

つまり、受験勉強などは、学校や授業で習った後、復習するよりもテストを

受けた方が記憶が定着することが示唆されているのです。

 

学習塾をやっている立場からすると、

「授業」→「授業後の復習テスト」というやりかたが理想ということですね。

  

追加(2018/09/04)

この効果の理由としては、初期テスト時に行われる検索努力が記憶痕跡の精緻化をもたらし、検索ルートを増強するという考え(検索精緻化仮説)や、初期テストと最終テストとの間における処理の類似性が恩恵をもたらすという考え(転移適切処理仮説)がある。

2018/08/26

 

「○た○もい」

 

A:「ちしき」を漢字で書きなさい。

B:「○た○もい」に当てはまるひらがなを入れて、単語を完成させなさい。

 

扱われている単語は、

どちらも大人であれば誰でも知っている単語です。

 

けれど、Aは誰でもできますが、Bができるとは限りません。

国語教師でもできるとは限りません。子どもの方が先にできる時さえあります。

何故でしょうか?

(Bの答えは最後にあります)

 

一つの理由は、Aは意味を考えさせる問題ですが、

Bは、意味ではなく、見た目や音を判断させる問題だからです(Roediger,1990)。

 

もう一つの理由は、

「潜在記憶」※に関わるからです。

潜在記憶は、ワーキングメモリ(8/7)をほとんど使わず、年齢による差もほとんど

ありません。

 

よく考えることができる大人より、

子どもの方がはやくできたりするのもありうることですね。

(※「潜在記憶」とは、一般的に「学習時のエピソードの意識的な想起を伴わずに

利用可能な記憶」とされています。)

 

Aの問題ができるためには、

つまり漢字の書き取りがよくできるようになるためには、

 

「知」とは知ることであると考えたり(意味を深く考える.6/9,6/26)、

「識」は「ごんべん」だから、ことばに関係があると考えたり(漢字の体制化.8/9)、

「無知」の対義語が「知識」になるかなと考えたり(自分で問題を作る.8/24)することが効果的ですが、

 

Bの問題に対しては、上記の勉強はほとんど効果がないか、

対義語を考える勉強については

マイナスになる場合さえあることが報告されています(藤田,1999,2001)。

 

このようなパズル問題を稀に入試問題で見かけますが、

個人的には、これが国語の実力を問うものかは疑問だと思います。

 

入試に出るのでは心配だと思われる保護者もあるでしょうが、

そもそも練習の方法がない(あるいは無駄になる確率が高過ぎる勉強法しかない)し、

滅多に出題されないのですから、

心配しても仕方がありません。

むしろ心配しすぎて不要な勉強や効率の悪い勉強に誘われる危険があります。

 

この入試問題が出たことのある学校を受ける生徒達はみな、

「その時の閃き次第」と言って受験していきました。

この場合は子ども達が正しかったようです。

 

Bの答え:かたおもい 

2018/08/25

 

文章題は、全部読んでから解く

  

ある5文字をA、Bの指示で読ませた後、ライトでその中の一文字をさらに読ませ、

反応時間を計ります。

 

A:「『日常茶飯事』の真ん中の文字(茶)を読みなさい。」

B:「『日常茶飯事』を読みなさい。」

 

Aの指示だと、反応時間が速いのは「茶」という文字だけですが、

Bの指示だと「日」「常」「茶」「飯」「事」すべてに速く反応します。

 

これは、指示に応じて、注意する範囲をスポットライトのように変更できることを示唆しています

(ズームレンズに例えられることもあります)(LaBerge,1983)。

 

国語の文章題の解き方で言えば、部分だけ(例えば、傍線の前後だけ)を読んで問題を解くと、

次の問題に対する反応が鈍くなることを示唆していると考えられるので、

原則的に、

「文章題は、文章全部を読んでから解く方が点数が取れる。」と言えます。 

 

2018/08/24

 

自分で問題を作る

 

「「消費(者)」という言葉を覚えなさい」と言うよりも、

「「生産(者)」の反対の意味の言葉を考えて、覚えなさい」と言う方が、「消費(者)」という言葉を覚えます。

 

これは、生成効果といって、「あることばをそのまま読むよりも、何らかの変換規則に基づいて自分でことばを作る方が覚える」(Slamecka & Graf 1978)からです。

 

例に挙げた反対語だけでなく、連想できる語や、同じカテゴリーの言葉や同類語を考えたりしても効果があります。

 

また、この効果は個人差があまりなく、確実に成績があがります。

 

もちろん、このような手間が十分ペイするかは秤にかける必要がありますが、指導者は常に考えておくべきことです。

2018/08/23

 

なかなか勉強にとりかからない子には

 

 

夏休みの宿題を学期が始まる前にあわてて始めたことはありませんか?

8月の終わりまでにやればよい、と思ってしまうと、

なかなかとりかかれません。

 

同じように、子どもに勉強の指示をするときは、

「今週中に」ではなくて、

「水曜日の夜8時からリビングのテーブルで算数の宿題を」と指示します。

 

その方が実際に取り組む割合を高め、

さらに良いことには、短時間で終わります

(実行意図implementation intention,

Golwitzer & Brandstatter 1997) 。

 

仕事にも使えそうですね。

 

2018/08/22

 

「○○回書け」の危険

 

 

同じ文字や漢字などを何回も書くように指示すると、

早く終わらせようとして、「急速反復書字スリップ」

という、似ているけれども違う字を書いてしまうミスが出ることがあります

(仁平1990 上図では、「お」を書こうとして「す」や「む」のような字を

書いてしまいます)。

 

学校の漢練習帳を見ると、そういうミスをしている生徒が時々います。

結局、記憶するという点では不利になります。

 

 

ある程度の回数は必要ですが、「ゆっくり目、意味を考えながら書く(8/21)」

意識を持つ方が覚えるうえでは有利です。

2018/08/21

 

地理より歴史の方が好き!

 

 

たいていの子供はそう言います。

「地理は覚えられない」と言います。

歴史と違って、因果関係という関連づけができないからです。

 

そこで、地理でも関連づけをして覚えるようにします。

例えば、茶の産地なら、静岡、鹿児島、三重とやみくもに

覚えるのでなく、「太平洋側の気候」(これはみんな知っています)

で、雨がたくさん降るところはお茶が取れると関連づければ、

日本地図のイメージも加わって覚えやすくなります。

 

漢字や熟語を覚えるのも同じで、ばらばらに覚えるのでなくて、

部首、対義語、同類語、同じ漢字を使った

熟語などと関連づけて覚えると、

覚えやすくなります(8/9、10)。

2018/08/20

 

子供を説得するには

 

楽しい気分になってもらうことです。

 

昔から行われているのは、「勉強しないと、あとで困るぞ」

などという、脅しなどのネガティブな材料による説得です。

これを頭ごなしに強要すると感情的に反発してしまうことがあります

(心理的リアクタンス)。このリアクタンスが極度に強くなると、

説得とは反対の方向に態度を変えてしまうブーメラン効果(今城2005)を

産むので危険です。

 

逆に、本人が心地よいポジティブ感情を持っているときには説得が

うまくいきます。

 

これは、ネガティブな感情につながる説得に対しては、その論拠が深く考えられ、

論拠の強い説得しか納得しないのに対して、

ポジティブな感情の時は、論拠に対する吟味があまり行われず、

論拠の強弱に関わりなく説得されるからです(Bless et al.,1990)。 

 

昔から、人類が生き残るために、

ネガティブな感情が生まれるときには、例えば危険が迫っているなど、

の今の状態に問題がある知らせだととらえ、精緻な処理を行ってきた

名残だと解釈されています(Schwarx,1990)。

 

これは、子供に限らず、大人でも同じ事が言えそうです。 

2018/08/19

 

自分で選ぶ方が覚える

 

A「ゾウ・消防車・小川」の三つを覚えなさい。

B「ゾウ・消防車・小川・七夕・つりざお」のうちから三つを覚えなさい。

 

Bの指示の方が良く(約2倍 渡邊2011)覚えます(自己選択効果 高橋1989)。

 

例えば、暗記すべき範囲と期限が決まっているなら、

生徒に覚える計画を立てさせるなど、この効果を利用することができます。 

2018/08/18

 

覚え方

 

「あることばを覚えるとして、その言葉から連想されることばを

数の制限なしに一定時間内に自由に書かせると、たくさん連想したほど

思い出しやすくなります(豊田,1990)

 

つまり、「みけん」という言葉を覚えるとして、

「みけん」だけを覚えるよりも、「みけん・みかん・いけん…」などと

連想した言葉を書いた方が覚えやすいということです。

 

これは、指導者にとっても様々な指導法を示唆しています。

少なくとも、言葉だけを示して、覚えなさいというだけでは

効果がないと言えるでしょう。

 

2018/08/17

 

こんな入試問題は…

 

10年以上前に、ある有名中学校が、サッカー論を入試問題にしました。

これには専門用語が結構入っており、

サッカーを知っているか知らないかで差がつくものでした。

 

そもそも文章を読むと言うことは、情報を仕入れるだけでなく、

脳内のスキーマを引き出す行為であるというのは認知科学の常識です。

(7/30,8/2,8/3)

脳内のスキーマに差が出ないように配慮するべきでした。

 

このような現象は、それでも入試問題では少ない方ですが、模擬試験などでは

結構見られます。

 

保護者の皆さんも、成績を評価する前に、

題材が問題にふさわしいかどうかもチェックしてあげるといいですね。

 

2018/08/16

 

左手の使い方

 

勉強は頭でするものというのは間違いではありませんが、

実は体の使い方も大切です。

 

どのスポーツでも、

熟練するほど正しい判断と行動ができる姿勢を身に付けるように、

勉強でも姿勢の善し悪しが判断力に影響します。

 

身体と頭脳の関係はこれから研究が進んでいく新しい分野です

(知覚システムGibson,2011)が、

経験上言えることは、

左手(利き手でないほうの手)は、机の上に軽く添えるべきです。

おほづえをついたり、左手を机の下にぶらぶらさせていたりすると、

頭が働きにくくなります。

 

(機会があれば)教室を見回してみましょう。

勉強ができる子は必ず左手を机の上に出しています。

 

2018/08/15

 

こんな勉強をしていませんか?

 

 

非常に多く見かけるのが、漢字の書き取りなどで、早く終わらせるために

何も考えずにただ黙々と字を埋めていく生徒です。

理科や社会などの暗記科目でも同じです。

この作業はほとんど記憶に残りません。

 

長期記憶をつくるためにもう一つ必要なことは「注意attention」で、

かみ砕いて言えば、覚えようと思って集中することです。

 

「体制化」(8/9,10)、「リハーサル」(8/12)、「注意」。

少なくともこの三つが長期記憶を作るために必要なことです。

うまく組み合わせて覚えたいですね。

 

2018/08/12

 

短期記憶を長期記憶にするには

 

 

以前、短期記憶でおぼえたつもりになって、テストでできない生徒が多いというお話をしました(8/8)が、短期記憶は容量が少なく、チャンキング(8/6)して7個、

時間にして一分しか保持されません。それに対して長期記憶は容量制限がありません。

短期記憶を長期記憶にするにはいくつかの手段がありますが、一つは

先日述べた「体制化」です。もう一つは「リハーサル」。簡単に言えば見直しをすることです。この時、音読するよりも、意味を考える方が効果的です。

2018/08/11

符号化特定性原理(Tulving & Thomson 1973)

 

覚えたときの環境が思い出すときに影響するということを示す原理です。

 

実験では、海底で覚えたことは

陸上より海底で思い出しやすく(物理的環境 Godden & Baddeley.1975)、

 

女性の声をイメージして覚えたことは、女性の声でテストされると

思い出しやすく(心理的環境 Geiselman & Glenney 1977)、

 

ある薬物を摂取しながら覚えたことは、その薬物を摂取すると思い出しやすい

こと(生理的環境 Eich,Weingartne, Stillman & Gillin.1975)

が報告されています

 

そういえば、高校の時に試験前の半日授業が終わると、

家に帰らず弁当を食べてから

そのまま教室で試験勉強をする友人がいました。

 

「この方がテストの成績がよくなる」と言っていたのを半信半疑で

聞いたのを覚えていますが、

その生徒はほぼ学校で一番だったので、今から思えば

この原理の「物理的環境」を利用していたのだと納得させられます。

 

お子様も家で勉強するときに、

テスト会場と同じように机の上に何も置かないようにすれば、

いくらか効果があるかもしれませんね。

2018/08/10

 

漢字の体制化 2 (音も大切に)

 

2018/08/10漢字の体制化 2 (音も大切に)

「寺」の音読みは「ジ」。

だから、「時・持・待・侍」なども「ジ」と読みます。

部首でない部分は音読みを表しているのです。

 

このように音読みで体制化(8/9)して教えることに

よって読みの力が強化されます。

 

部首の体制化(8/9)と音読みの体制化を通じて、

漢字と熟語の力(ひいては読解力)が強化されます。

 

ばらばらに教えていると、6年の最終段階になって

あいまいな当て字を書いたり、パズル問題に弱くなったりします。

2018/08/09

 

漢字の体制化 1(部首の意味を大切に)

 

例えば小学校では、

2年で「社」という漢字を習い、

3年で「礼・神・祭・福」、

5年で「示」を習います。

これでは教え方がばらばらです。

 

「示」は、神をまつるときの祭卓を表し、

それををくずしたのが「礻」(しめすへん)です。

だから、最初に「示」の意味と崩し方を教えて、「社・礼・神・祭・福」

が神に関係しているとして一度に教えた方が覚えやすく、応用もききます。

 

このように覚えるべきものを共通点で結びつけることを

「体制化(organization)」といいます。

体制化を利用することが漢字に強くなるコツです。

 

2018/08/08

 

短期記憶

 

ワーキングメモリ(08/07)は考えるときの容量を指しますが、

短期記憶は一般的にそのときだけの記憶を指します。

短期記憶は7±2項目と報告されています(Miller 1956)。

 

白雪姫と七人の小人、七人の侍、世界七不思議などといいますね。

それ以上多いと覚えにくいのです。

 

時々短期記憶で「覚えた」と思って、テストの時にできない生徒を見かけます。

長期記憶にする必要があります。

2018/08/07

 

4項目の不思議

 

メモリが不足するとパソコンが止まってしまうように、

人間にもメモリのように一度に作業できる限界があると考えられています。

これをワーキングメモリといいます。

 

ワーキングメモリで一度に考えられる量は4項目。

ことば(言語情報)でも、イメージ(視覚・空間的情報)でも、

音声でも、

不思議なことに4項目と報告されています(Lark & Vogel 1997)。

 

これは、国語の勉強で言えば、段落構成や心情の変化など、考えることがらが

4項目以上になれば、書き込みをしたり印を付けたりした方が

有利であることを示しています。

線を引きなさいとか、印をつけなさいとよく言いますが、その根拠は

ここにあるのです。

2018/08/06

 

チャンキング(chunking)

 

意味のない文字や数字の固まりを、意味のあるいくつかの固まりに分けると、

覚えやすくなる現象のことです。

 

例えば、0752315578という数字は、

075-231-5578(市外局番-市内局番-個人の番号)とすると覚えやすくなります。

 

かがみもちということばは、

鏡-餅とすると覚えやすくなります。

 

これは色々なものを暗記するときに役立ちますが、

特に下の例は、うまく使うと、国語の勉強で熟語をおぼえるときに効果的です。

2018/08/05

 

メタ認知

 

メタ認知とは、自分の気持ち、考えなどを客観的に見直し、コントロールすることです。

9歳~11歳から発達しはじめるとされています。

 

例えば、自分の答えに対して自分で○つけをするというのはメタ認知的な行いなので、

幼児や低学年では難しく感じることがあります。慎重に行いましょう。

 

ケアレスミスも、メタ認知が弱いことが原因と考えられます。

 

メタ認知は、個人差があり、

大人でもケアレスミスの多い人があるように、

メタ認知の得意な人と苦手な人があります。

 

先日述べた「なぜわからないっ!」と叫んでしまう先生(7/29)も、

自分の教え方を客観的に見直せていないという点で、メタ認知が弱いと言えます。

 

メタ認知は学習や教育の上で大変重要な概念です。

お子様の学習や教育でお悩みの時、メタ認知の概念で見直してみると役に立つことがあります。 

 2018/08/04

 

よくあるドリル2

 

問題文の不備です。

 

「ぜんぶで」とあるので、8こが答えなんでしょうが、

 

この生徒は、

「(だれかが)ももを5こ持っているところから、

(自分が)3こもらうと、のこりはいくらになりますか」と読んだのでしょう。

 

「わたしはももを5こもっています。おともだちから さらに3こ

もらうと、ぜんぶでなんこになりますか」など、いくらでも

書きようはあります。

 

やはり問題の「精緻化(7月26日)(8月1日)」が必要です。

2018/08/03

 

「答えは本文中にある」は本当か?

 

そのように教える人もいますが、誤解です。

 

前述したように、「読む」という行為は脳内の知識(スキーマ、スクリプト)(7/30、8/2参照)を引き出してくることを必要としています。

その人が「答えを本文中からみつける」ためには、必ず本文に書かれていない部分を脳内のスキーマやスクリプト(※以下「スキーマ」とのみ表記)で補っています。

ただその人が自覚的していないだけです。

 

スキーマやが十分でない人(子供など)にとって、読めなかったり答えが見つけられなかったりする文章はいくらでもあります。

 

従って、表題を正確に言い直すと、

「答えは本文中にあるかも知れないが、それを見つけるにはスキーマが必要である」

となります。

 

教える人間の役割の一つは、問題が解けない生徒にどのようなスキーマか欠けているかを知り、それを補ってやることです。

 

※スクリプトは、時間的なスキーマと言えるので、以後スキーマとのみ表記します。 

2018/08/02

 

スクリプト(script) ―大人にあって子供にないもの―

 

「歯が痛くて歯医者に行ったら、もう手遅れでどうしようもないと言われ、

麻酔注射を打たれて猛烈に痛かった。しばらくは何も食べる気にならない」

 

こんな話を聞いたら、大人はこの人は虫歯を抜いたんだなと思うでしょう

話の中に「虫歯」も「抜歯」も出てこないのにもかかわらずそう思うのは、

歯医者で何をするかを知っているからです。

 

このような一連の出来事に関する知識をスクリプト(script)と言います(Schank, Abelson 1977)。

 

表は、レストランのスクリプトです。

 

このようなスクリプトが脳内にあるから、たとえば、

 

 彼はレストランに行った。彼は座った。彼は頭にきた。彼は出て行った。

 

このような文章に出会った時も、「ウェイターが席に来なかったのだろう」

と大人は理解できます。 

 2018/08/01

 

よくあるドリル

 

「ぬきだしなさい」とか、「かきぬきなさい」などと条件を付けない限り、この生徒の答えでも○です。

 

問題文の不備ですね。

 

このように問題の「精緻化(7月26日)」をしてあげると、飛躍的に成績があがる生徒がいます。 

2018/07/31

 

低俗番組は悪か?

 

 断定的なことは言えませんが、Bandula et al,.1961は、有名なボボ人形の実験で、他人の行動とその結果を観察することによって学習が成立することを明らかにしました。この観点から考えると、あまり奨められないようです。        

2018/07/30

スキーマ(schema) 1 ―大人にあって子供に少ないもの―

 

読むということは、外部の情報を脳内にインプットしているだけのように見えますが、

実は同時に脳内の情報をアウトプットもしているのです。脳内の情報をスキーマといいますが(Bartlett,1932) 、

外部の情報を、引き出してきたスキーマを参照しながら解釈することが「読む」ということです。

 

「彼女は箸を手にとった。……おなかいっぱいになった彼女は眠くなった。」

大人はこの二文が理解できますが、小さな子供なら理解できないこともあります。

大人が理解できるのは、箸を手に取ったら何かを食べるものだというスキーマを脳内から引き出しているからです。

このスキーマがないか、定着していない子供は文の意味が理解できません。

 

スキーマは主に経験によって定着します。

経験の少ない子供は当然スキーマも少ないので、読解の力も大人に比べると弱くなります。 

2018/07/29

 

「なぜわからないっ ! 」

 

 一生懸命教えたのにそれでもわからなかった生徒に対して、思わず

こう叫んだ教師がいたそうです。

 

熱血先生なのでしょう。でも、に大人と子どもの違いにも思いをはせた方がよかったかもしれません。

 

子どもにとって説明が分かりにくいパターンの一つは、説明が子どもにとっては抽象的すぎる場合です。

 

ピアジェによれば、およそ9歳から11歳までは具体的操作期といい、具体物についてなら論理的思考が可能な時期ですが、抽象的なことがらについての思考(言語の操作など)のは次の形式的操作期(11歳から15歳)をまたなければなりません。

 

分からないその子の年齢はまだ10歳か11歳でしたから、まだ抽象的なことがらについての思考が充分に芽生えていなかったということは大いにありうることです。

こういうときには具体的な表現に「再符号化」(七月二十七日)して、問いを発してやることが理解に結びつくことがあります。 

 

そう言えば、問いの抽象的な言葉を、具体的に言い換えて、私が生徒に教えているのを、横で見ていた保護者が、「私、そんな言葉はわかっているものと思って、そのまま教えていました」とおっしゃったことがあります。結構気づきにくいのですね。

 

22018/07/28

 

制約緩和

 

問 12 枚のコインを六角形の全ての辺それぞれに 4 枚ずつ並べなさい。ただし、コイン同士を重ねてはいけません。(小田切、小出、鈴木 2017)

 

難しい問題ですが、「辺の上にコインを一列に並べなければならない」という思い込みから逃れると正解に近づきます。(正解は下にあります)

 

このような思い込みのことを「制約」といい、思い込みを取り去ることを

「制約緩和(constraint relaxation)」と言います。

 

国語では、

「書きなさい」という問題に対して、「本文中からぬきださなければならない」と

いう思い込み(自由に書いていいはずですよね)や、

「二十字以内でぬきだしなさい」という問題に対して、「二十字でぬきださなければならない」という思い込み(十九字でもいいはず)

などがあります。

 

 このような思い込みを取り去る(制約緩和する)ことによって正解に近づきます。

 

「精緻化」「再符号化」「制約緩和」

この三つが問題が解けないときにやってみるべきことです。

2018/07/27

 

再符号化(re-encoding)

 

問 皆は『そのこと』を理解した」とありますが、「そのこと」とは何を指しますか?

 

この問題ができなくても

 

問 皆が理解したのはどんなことですか?

 

このように言い換えてやれば、できるというお話しをしました(7月14日)。

問題を言い換えることを「再符号化(re-encoding)」といいます。

 

解けない問題は、再符号化(re-encoding)か、昨日述べた精緻化(elaboration)をしてみることを

おすすめします。 

2018/07/26

 

問いにしるしをつける

 

問1「どちらが なんびきおおいですか」(算数。小学一年生の一学期)

答え 「2ひき」

 

問2「どのような気持ちですか。原因も踏まえて答えなさい。」(国語。入試問題)

答え 「くやしさと悲しみの入り混じった気持ち。」

 

どちらも間違っていますね。

問題の理解が不完全だからです。

 

こういうときには指導者が、

問1なら「どちらが」、

問2なら「原因を踏まえて」という条件を足してやります(精緻化elaboration)。

 

さらに生徒自身が、「問いの大切なところに線を引く」という習慣をつけると(問1なら「どちらが」と「なんびき」に線を引く)、

自分で「精緻化」ができるようになります。 

2018/07/25

 

気持ちの読み取り その2

 

その人の顔や姿勢を真似てみたり、イメージで真似てみたりすること

(宮崎,1985)。

その1より、むしろこちらの方が大切です。

2018/07/24

 

言葉の覚え方

 

「空腹」ということばを例文を使って覚えるときに、

 

1 空腹の男の人は外に出て行きました。

2 レストランに行くために、空腹の男の人は外に出て行きました。

 

1と2とでは、2の方が覚えやすいのです。自分の持っている

知識と関連づけることによって我々は学習します。

(Bransford et al., 1982; Stein et al., 1982)。

 

国語辞典の例文も、身近な知識を少し足すように変えるといいですね。 

2018/07/23 

 

作文の書き方 2

 

  最初は具体的な相手に手紙を書いてもらう練習から始めるといいです。

「特定の人にプレゼンテーションする感覚」(中村1983)をつかんでから、

作文に入ると、相手に理解しやすい文を書く心構えがつきます。

この感覚をつかまないまま書くと、自分だけが分かっていて、読む人には

さっぱりわからない作文になります。 

2018/07/22

 

読書の意味3

 

知らない言葉を推理できるようになります。

 

本を夢中で読むと早く続きを知りたくて知らない言葉がでてきても

前後の文脈から類推して読みます。

保護者の皆さんも経験がありませんか?

 

これが、難しい言葉が入っている文章を読むときの推理力、読解力を産みます。

さらに、この力は英語と古文、漢文にも応用できます。 

平成30年7月21日(土) 

 

気持ちの読み取り その1

 

「この時の○○さんはどんな気持ちですか」という質問がありますね。

 

これもほとんど知られていないことですが、ある人の心情を読み取るには、その人が見ている風景をイメージしてみることです。

 

○○さんから先生を見るとどんな風に見えるか、黒板には何が書かれているか、窓の外には何があるかなどを

イメージすることによって○○さんの気持ちに迫ることができます。

 

 

科学的に効果があるとされています(宮崎,1985)。 

平成30年7月20日(金)

 

幼児教室の??? その2

 

「子どもは複雑な刺激を求めて、何でもいくらでも吸収する」という宣伝も科学的根拠がありません。

 

実際は「乳児は生後すぐから周りの物や人に刺激を求めるが、能動的に働きかけるものしか意味のある刺激とならない。個人の特性によっても興味をもつ刺激は異なる。また、難易度がちょうど適度な課題にだけ挑戦意欲をもって取り組める」

(『発達心理学事典』日本発達心理学学会 松村賜隆、松村2008)

平成30年7月19日(木)

 

読書感想文の書き方その3

 

今日は便法を書きます。本来は読書感想文など書かせるべきものでない(その1参照)のであれば、便法も許されるでしょう。

 

まず、作者の文学史的位置を書きます。夏目漱石は明治に生まれ、英国に留学、東大の教師から作家になり作品には○○、や××がある。同時代の作家には森鴎外などがおり、余裕派あるいは高踏派と呼ばれたなどと調べながら書いていけば二百字は書けます。

 

次に、あらすじを二百字程度書きます。

 

この後が子供が何を書いたらよいか困ってしまうところです。大抵の場合、主人公の気持ちを書いて、僕も(わたしも)そう思います、などと書いて終わってしまいます。

 

おすすめするのは、別の登場人物の気持ちになって考えてみることです。

「桃太郎」であれば、鬼の立場から考えたら、平和に暮らしているのに、突然やっつけられるのはたまったものではありません。

 

「走れメロス」であれば、妹から見たら、かえってきた兄によってすぐに結婚式を挙げさせられて(妹は愛する人へのプレゼントの編み物を結婚式に間に合わせようとしていたかもしれません)、いきなりいなくなってしまって心配をかけるだけの、思いつきだけで行動するわけのわからない兄です。身代わりになったセリヌンチウスからすれば、心の中でどれほど葛藤があったことでしょう。

 

別の人物はこう考えたり感じたりしていたかも知れないということを書くと、

二百字~四百字あるいはそれ以上の材料になると思います。

 

別の方法としては、あらすじを書いていく時に、短い感想を入れていく方法もあります。

メロスが必死で走っているところに、改行して、

頑張れメロス! (僕はどきどきしながらページをめくった)

などと入れていきます。ドキュメンタリーに解説者が感想を入れていく手法ですね。これで分量が倍になります。

 

もっと楽に済ませたいなら(まったくお勧めできませんが)、メルカリを探せば売っていると聞きました。

 

いくつか考えてみましたが、とはいえ、やはり正攻法(その2参照)が一番勉強になるのではないでしょうか。 

平成30年7月18日(水)

 

読書感想文の書き方 その2

 

二冊読んで書く。

 

これは正攻法です。

一冊なら書けないけれど、二冊なら書けます。

比較できるからです。

 

例えば芥川龍之介の『蜘蛛の糸』と『杜子春』なら、どちらも短いし、

たいてい子ども向けの一冊の本の中に入っています。

保護者が読み聞かせしてあげてもいいですね。

 

二冊なので、それぞれのあらすじを紹介する必要があり、これだけで

字数が稼げます。そして相違点と共通点を書き、必要なら筆者の

意図を書けば十分な量ですし、立派な「批評」になります。

 

上記の例で言えば、どちらも「人間の欲」を扱っており、一方は欲のために破滅し、一方は欲を断ち切って救われます。書きやすそうですね。

 

その他短いものを挙げれば、

新美南吉の『ごんぎつね』と『てぶくろを買いに』も、動物と人間の触れ合いを

描きながら相違点もあります。

オー・ヘンリーの『最後の一葉』と『賢者の贈りもの』は人間の優しさと悲しさ、

少しひねって宮沢賢治の『なめとこ山の熊』と『注文の多い料理店』なら動物と人間の立場とその逆転など。

 

二冊選ぶのが難しければ、すでに読んでいる本に合わせてもう一冊選ぶのもいいでしょう。

 

二冊を比べている時点で、すでに子ども達はレベルの高い学習をしています。一緒に考えて上げるのもいいでしょう。

 

課題図書が決まっている場合は!?

 

困りましたねえ。読書は自分の好きな本を読むものなんですが…。

 

それに合わせてもう一冊選ぶのもいいのですが、

一冊だけで書くとしたら、

本来子どもに書けないものを書かされるのだから(その1参照)、

これは便法を使うしかないでしょう。

次回で考えてみます。 

平成30年7月17日(火)

 

読書感想文の書き方 その1

 

 作家の丸谷才一は、子どもに読書感想文を書かせるなと言っています。

 

それは批評に他ならない。批評は読書の蓄積があって初めて書ける。

蓄積がない子どもはどうしようもなく、あらすじを書いて、面白かった、と書くしかない。

面白くないことこの上なく、むしろ本嫌いの子どもを増やすという意味のことを言っています。

私もこの意見に賛成ですが、毎年のように夏休みになると読書感想文が出されるのは困ったものです。

 

とはいえ宿題であれば出さざるを得ない。

 

解決法の一つは、本を読ませるだけにして、

今いったような理由を説明して親が書いてあげるというものです。親は何らかの蓄積があるから書けます。

こうすれば子どもは本を読む楽しみだけを得ら77れて、その後の苦しみを経験する必要がありません。

それを子どもに見せれば参考にもなります。

 

子どもに楽をさせているようでうしろめたく思われる方は、

その代わりに作文を書かせればよいと思います。読書感想文と違って、作文の方がはるかに書きやすいはずです。

 

いや、それでも何だか後ろめたい(面倒くさい)と思われる保護者の方は、また別の方法もあります。

長くなりましたので、以下は次回…。 

平成30年7月16日(月)

 

文章のわかりやすさ

 

この文章の意味がわかりますか?

 

「手続きは実に簡単である。まず、いくつかのかたまりに分ける。もちろん、量によってはひとまとめにしてもかまわない。…(途中略)…大事なことはやり過ぎないことである。すなわち、一度にやる量は多すぎるより少なすぎるほうがまだよい。」

 

これは衣類の洗濯について述べた文です。最初に衣類の洗濯について述べた文章であることを知らせた方が、知らせないよりも、わかりやすいことが実験結果で出ています(Bransford & Johnson 1972)。

 

文章の内容に関する知識を持っている方が読みやすいと考えれば、国語のテストの成績は良くなったり悪くなったりする理由もわかります。なじみがある話題なら理解でき、なじみがなければ理解しにくいのです。

 

だから、国語に関しては、テストの点数が下がったからといって、いちがいに実力が落ちたとか、さぼったとかは言えないのですね。

なぜそうなったかをよく見て上げる必要があります。

平成30年7月15日(日)

 

幼児教室の???

 

幼児教室で「早く経験しないと取り返しの付かない学齢(臨界期)がある」と言われることがありますが、

 

実際は「人間に明確な臨界期はない(絶対音感などの特殊な能力を除いて)。」(『発達心理学事典』日本発達心理学学会 松村賜隆、松村2008)

 

ということです。

 

あせらずに。

平成30年7月14日(土)

 

問題の意図

 

問題の意図が理解できずにとんちんかんな答えをするというお悩みを伺いました。

 

けれど、まず、子どもにとって問題の意図を理解するというのはとても難しいことだと申し上げておきます。

国語の問題は、作成者の主観や思い込みで作られる面があるものですから。

 

たとえば「皆は『そのこと』を理解した。」という文があって、

『そのこと』は何をさしていますか。6字以内でこたえなさいというような問題

に答えられない生徒がいたら、「何をさしていますか」という言葉の意味がはっきりわかっていない場合があります。

 

問題作成者がそれぐらいわかっているだろうと思っていても、生徒がわかっている

とは限らないのです。

 

 そういうときに答えの解説をしても意味がありません。そうではなく、

たとえば「皆が理解したのはどんなことですか」と、問題文をかえて見るとすっきりわかることがあります。

その上で、最初の問題に戻った方が子どもにとってはわかりやすいのです。

平成30年7月13日(金)

 

書き順

 

「書き順」は筆の運び方から生まれたものだから、最初に筆を持たせて教えます。穂先を8の字(∞)を描くように動かさないと墨が無駄にこぼれてしまうことがわかれば、何故「右」と「左」の書き順が違うのかが無理なく納得できます。

平成30年7月12日(木)

 

 作文の書き方1.5

 

「作文の書き方」という題で、「一文を考えてから書く」ことに触れましたが、

例えば、次の二つの文はどちらが読みやすいでしょうか?

 

1 貴族たちが宮廷で毎晩のようにダンスを楽しんだ。

2 貴族たちがダンスを宮廷で毎晩のように楽しんだ。

 

2の方が読みやすい(理解反応時間が速い)ことが知られています(石田,1999)。

 

「楽しんだ」という動詞は、「ダンスを」などの目的語が必要なので、

「ダンスを楽しんだ」と、くっついている方がわかりやすいと考えられます。

 

 「一語(数語)ずつ考えてから書く」と、2のような文を書きがちです。

「一文を考えてから書く」と、1のようにわかりやすい文が書けます。

平成30年7月11日(水)

 

モチベーション5

 

今までのモチベーションは、本人が意図してやるものですが、

意図していないけれど、モチベーションとして働くものに、

習慣による行動があります(Aarts & Dijksterhics 2000)。

例えば毎日三〇分机に向かうという習慣を付けていれば、

それをすることが本人の生活になくてはならないものになり、

結果としてモチベーションとして働いています。

平成30年7月10日(火)

 

作文の書き方

 

作家の丸谷才一さんは、しつこく文章を書く秘訣を聞かれて、「一文を考えてから書く」としぶしぶ答えました。「しぶしぶ」と言うのは、自分でも実行できていなかったからだとか(笑)。

 

三島由紀夫が小説の文章を全部頭の中で考えてから書いたそうですが、凡人には無理。

 

一文を考えてから書くというのが、子どもにとっても作文のコツと言えます。

 

というのは、子どもは書くときにも話すときと同じように書くからです。話すときは「あのさ~、昨日さ~…」などと、切りながら話すので、文法的に間違った文になりやすいのです。ただ、話すときは相手が理解します。

 

けれど、同じように作文を書くと間違った文を書くことになるので、その時点で減点されるのです。まずは一文を考えてから書く。これが大切です。

平成30年7月9日(月)

 

心理的引き離しモデル  シーゲル,2002

 

(PDM  Psychological distancing Model  Sigel,2002 )

 

子どもに対して

1 リンゴ、ナシ、ブドウを置いて、一つずつ名前を聞いていく。

2 この三つはどんなところが似ているか、聞いていく。

1より2の方が、表面的な違いを超えた共通性を答える必要があるので、

少し質問のレベルが高くなります。

同じ材料、教材でも子どもに合わせて少しずつこのようなレベル(PDM)を

高くして教えると力が付きます。

平成30年7月8日(日)

 

モチベーション4

 

ほめるとよい、とよく言われますが、

「よくできたね」と結果をほめることも大切ですが、

「ここを、こうしたからできたんだね」と途中経過を具体的にほめる方が、

生徒をよく見ているということを伝えることによって信頼関係を生み、より効果的です。

平成30年7月7日(土)

 

読書の意味 2

 

子どもはが少ないので読めない文章があります。

経験したことのない話題についての文章が理解しにくいのは

大人も同じですね。

読書で疑似体験することによって、読める文章が増え、

読解力が上がります。

平成30年7月6日(金)

 

読書の意味 1

 

一つ目は言うまでもなく語彙力がつき、結果的に読解力がつくということです。

 

人間は2歳で急激に語彙が増え(一日に約9語ずつ)、「言語爆発」とも言われるほどです。その後自然にこれほど語彙が増えることはありません。

しかし、読書をしているとやはり一日にやはり約9語ずつ、つまり「言語爆発」と同じペースで語彙が増えていくと言われています。

 

読書をするとしないとでは、語彙力に極端な差がつき、ひいてはそれが読解力の差につながります。

平成30年7月5日(木)

 

読み聞かせの大切さ

 

コール(Cole,1996/2002)は、大人が絵本などを継続的に読み聞かせることによって子どもが読み書き能力を得ると言っています。

子どもは大人を通じて学んでいきますが、大人はテキスト(書物など)を通じて学びます。

子どもから大人への橋渡しをするのが読み聞かせだと言うことですね。

平成30年7月4日(水)

 

思い出すには。

 

身体的、感情的文脈。情報を学習した文脈を(心象などで)頭の中で再現してみれば、のちの再生を増強するのに役に立つ可能性がある。勉強したときの環境(どこで勉強したか、どれぐらいの時間勉強したか、どんな服を着ていたか、その前後に何があったか、など)や状態(どんな気持ちだったか、どんな体調だったか、など)を、イメージで再現してみれば、習ったことをおもいだしやすくなる可能性があります。

これは以前に述べた環境依存効果、状態依存効果の応用です。

平成30年7月3日(火)

 

机の上に何も置かない

 

試験の時にも机の上に何も置かれていないので、同じ環境にします。認知心理学ではこのような環境のことを

文脈といいますが、文脈を同じにした方が学習したことを思い出しやすくなります(文脈依存効果)。

宮城谷昌光さんが、複数の小説を同時に書いているときは、それぞれ別の部屋で書いていたと言っていましたが、

これも同じ効果です。

平成30年7月2日(月)

 

てっとり早く記述問題の点数を上げるには

 

少し裏技風ですが、記述問題はキーワードで採点されるので、その仕組みを教え、必ず四つのキーワードを入れるように指導すれば、

点数が上がります。

平成30年7月1日(日)

 

作文の練習2

 

以前に一文を考えてから書くと申し上げましたが、

その手前の練習方法として、読点(、)を使わずに書く

という方法があります。読点を使わずに書くと、

文法的におかしな文がすぐにわかるので、

正しい文を書かざるを得ません。結局一文を考えて正しい文に

してから書くのが一番早くなるのですね。

そもそも、昔の人は句読点なしで書いていましたしね。

平成30年6月30日(土)

 

読解力をつけるには?

 

教科書やテキストを読むときに、漠然と読むのではなく、

まず、筆者のイメージを頭に思い浮かべます。よく知った人、

自分の好きな人にするのもいいですね。

次に、筆者に自分がその文章について質問している姿を思い浮かべ、

筆者が口頭で答えてくれているものとして、文章を読むといいです。

平成30年6月29日(金)

 

音楽を聴きながら勉強してもいいか? その1

 

覚える勉強なら、自分にとって快適な状態で勉強した方が効率がいいので、

音楽を聴くと効果が上がる場合もあります。個人差がありますが、試してみても

いいと思います。

ただし、聞き慣れた音楽でないと、注意散漫になります。 

平成30年6月28日(木)

 

計画の立て方

 

人間は、自分で学習計画を立てると、好きでよく知っている科目に重点を置き、

苦手な科目を軽視する傾向があるという研究があります。

 結局、苦手な科目を後回しにして、結局時間が足りず、益々苦手になるという悪循環が生まれます。

 全科目を見渡してから時間を系統的に立てるのがいいようです。 

平成30年6月27日(水)

 

辞書があれば文章は読めるか?

 

答えはノー。

初期のコンピュータ学者の中には、辞書と

文法をコンピュータに持たせて文章を読ませようとした

人がいましたが、出来ませんでした。

 人間は生活していくうちに脳の中に常識やできごとのパターン

を蓄積しています。その蓄積(スキーマ)と照らし合わせて文章を読むのです。

大人が読める文章を子どもがよめないのはその蓄積の違いです。

その蓄積の差を少しでも埋めるのは読書です。 

平成30年6月26日(火)

 

とにかく声に出して覚えろ! は正しいか?

 

 間違いではありませんが、罠もあります。

 まず、短期記憶(1分以内)でしかない可能性があります。短期記憶は基本的に「音」で記憶される

(Alan Baddeley 1960 ; Conrad & Hull) ので、声に出すことはいいのですが、

短期で忘れてしまって後々のいざというときに思い出して仕えなければ意味がありませんね。

 長期記憶は対照的に「意味」で記憶されるので、たとえ、声に出すにしても、

意味を考えるようにするべきです。

むしろ、意味を自分の体験に結びつけたり、視覚的イメージと一緒に覚えたりする方が有効です。 

平成30年6月25日(月)

 

教え合ってオリンピック4連覇

 

以前、塾の教室内でグループごとにわけ、教え合わせて成績を劇的に上げた先生の

話をしましたが、この効果がわかるこの大規模な実例がありました。

ニューヨークの公立学校PS422です。アメリカも日本と同様に私立と公立の格差が開いているのですが、

ここは公立にも関わらず、数学オリンピックで四年連続優勝しており、教師はグループ教え合いの効果だと言っています。(https://www.q2l.org/)。

刺激的な話ですね。 

教え合いの効果を発表した研究もあります(Tania Lombronzo 2013)。 

平成30年6月24日(日)

 

ながら暗記法

 

 自力で何か(漢字やことばの意味など)を思い出せば、その行為によって記憶が強められることが

示唆されています。 

 ベッドに横になったり、テレビをボーッと見ているときに、その日に習ったことを一つでも二つでも

思い出してみるようにすれば、忘れにくくなるでしょう。

これは前に述べた記憶の分散効果ともつながりのあることです。 

平成30年6月21日(木)

 

分散効果

 

 沢山時間をかけるほど覚えられるのは間違いありませんが、

同じ時間をかけるのなら、間をあけて何回もする方が効果的です。

 前の日に一夜漬けで二時間かけて勉強するよりも一時間ずつ二回に

分けて勉強する方が後に残ります。そもそも睡眠時間が足りないと

翌日の集中力がおちますから、同じ時間勉強するなら、

一夜漬けに頼らずに、それまでに何回かに分けて勉強するのが

はるかに正しいわけです。 

平成30年6月20日(水)

 

「かも、つばめ、白鳥」の三つと「かも、パン、鉛筆」の三つとではどちらが覚えやすいですか?

前者ですね。

このように覚えるべきものを体系づける(この場合は「鳥」の名前を集める)ことを「体制化」と言います。

漢字や語句、ことわさ・慣用句・季語など覚えるべきものは国語学習においても沢山ありますが、

指導者が「体制化」して示してやると生徒は覚えやすくなります。 

平成30年6月19日(火)

 

タイトルの大切さ

 

ほとんど知られていないことですが、受験勉強で文章を読ませるときは、

内容をうまくまとめたタイトルをつけることがコツです。

タイトルをつけない場合と比べて、文章を覚えている割合は二倍になります(Bransford & Johnson,1972,1973)。

 

見たことがある文章であれば、読解力が上がることは以前つぶやきましたね。

うまく文章を選び、タイトルをつけて勉強させれば読解力向上につながります。 

平成30年6月16日(土)

 

プライミング効果

 

過去の出来事が、(無意識のうちに)現在の行動に影響することです。

例えば、「世界で最も大きな仏像はチベットにある」という文はウソですが(本当は中国)、

以前にこの文を読んだことのある人は二度目に読むと信じる傾向があります。

 コマーシャルの効果がわかりますね(笑)。

 ご家庭で「勉強は楽しい」と親が言う方が、

子どもも勉強が好きになりやすいと言えます。 

平成30年6月17日(日)

 

モチベーション3

 

社会的責任モチベーションというのは、規則や人との約束を守らなければならない

ということをモチベーションにすることで、親と約束をする場合などがこれに当たります。

「良い成績をとって評価されたい」「能力を高めたい」「内社会的」「社会的責任」、

どのモチベーションが正しいと言うことでなく、個人に合わせてうまく組み合わせる

ことが大切です。 

モチベーション2

 

2018年6月16日

 

モチベーションには2種類あるとつぶやきました(6/14)が、それ以外にも、

内社会的モチベーション、社会的責任モチベーションなどがあります。

内社会的モチベーションとは、教師や友人と助け合ったり協力したりすることで、

学校でやるグループ学習などが例ですね。

これは学習塾ではあまり利用されていません。

以前、某塾で働いていたときに型破りな教師がいて、クラスを実力が拮抗するように

グループ分けしてグループ単位の成績で競争させていましたが、生徒達はめちゃめちゃ燃えて協力したり助け合ったりしていましたね。成績も飛躍的に上がっていました。

システム化された今の塾では考えられません。

平成30年6月15日(金)

才能とは?(レンズーリ)

 

才能というと、「優れた能力」のように思いがちですが、「創造性」と「課題への傾倒」が三つの輪のように重なっているものだ

と言っています。最後の「課題への傾倒」とは、熱心さや努力のことなので、忘れられがちですが、努力できることも才能なのですね。

平成30年6月14日(木)

 

藤井聡太七段を目指そう!

 

今注目されている将棋の藤井聡太七段は、タイトルを取ることが目標でなく、

強くなることが目標だそうです。

 

モチベーションの持ち方には二つのタイプがあります。

一つは良い成績をとって他者から評価されることがモチベーションになるタイプ。

もう一つは自分の能力を高めることがモチベーションになるタイプです。

藤井七段は後者ですね。

 

教えるときには、生徒がどちらのタイプかを見極めることが大切です。

もちろん後天的にタイプが変わっていく場合もあるので、今後の指導が大切になりますが、

「自分の能力を高める」ことがモチベーションになるように指導する方が

よいやり方です。

 「良い成績を取って他者から評価されること」をモチベーションにすると、

成績が悪かったときに、その原因を自分の能力の低さのせいにして、自分を守るために努力しなくなることがわかっています。

 「能力を高めること」をモチベーションにしていると、失敗した場合でも、その原因を自分の努力不足だと考えて努力を維持することもわかっています(以上Murayama & Eliot,2012)。

 

藤井聡太タイプを目指しましょう!

 

平成30年6月13日(水)

 

相互モデリング(植木2000)

 

1 子どもが先生役、指導者が子ども役で勉強する。

2 指導者が子ども役をするときに、その子どもはよくやる間違い方をやってみせる。

1と2をうまく取り混ぜて指導するとかなり効果があります。

平成30年6月12日(火)

 

どれだけ長く考えたことを覚えていられるか?

 

むりやり起こされた後にすぐにもう一度寝ると夢の続きが見られます。

でも、起こされた後少し立つともう夢の内容を忘れています。

この、「少し」の時間で脳のワーキングメモリが消えると考えられます(前述『記憶』)。

 

 文章を読む時間がこの時間より長いと、考えた内容を忘れてしまう(もちろん考えの強度や個人により差はありますが)ので、

線を引きながら読むべきなのです。

 

平成30年6月11日(月)

 

知能検査は信頼できるか?

 

幼児用の知能検査(WPPSIなど)は、苦手な面がわかるという利点がありますが、

能力が低く評価されるため、才能の識別は信頼性が低い(Davis et al., 2011.p76)

ことがわかっています。

 また、検査一般に言えることですが、二回以上やると成績が上がります。

 結局、参考程度ということですね。

平成30年6月10日(日)

 

文脈依存効果その2

 

以前、勉強したときと同じ場所でテストをするのと、違う場所でテストをするのとでは、成績に差がある(同じ場所の方がよくなる)という文脈効果についてつぶやきましたが、これに似たおもしろい効果があります。

 

 勉強したときの気分と同じ気分の方が成績がよくなるのです。落ち着いているときに勉強して興奮しているときにテストをすると、成績がわるくなります(興奮しているときに勉強して、興奮しているときにテストすると成績がよくなります)。

 家庭学習でリラックス、テスト会場で緊張していると成績がよくありません。(ジョナサン・K・フォスター『記憶』)

 

したがって、テスト前にリラックスする方法を知っていることがとても重要になってきます。

平成30年6月9日(土)

 

とりあえず覚えなさい?

 

こんな風にお子さんに言ったことはありませんか?

 

(Norman, 1980)は、利用可能な知識が乏しい状況での学習で、

人の取る最も消極的な態度は、無視であると言っています。

つまり、覚えないんですね。

 

人間の脳は、「なんだかわからないけど、とりあえ覚えておいて、

後で関係した知識を仕入れよう」という戦略はとらないようです。

 

だから、漢字なら、知っている熟語の意味と一緒にしたり、

部首と関連づけてあげるなどの関連づけをして、

利用可能な知識を添えて上げるといいです。

 

平成30年6月8日(金)

 

「国語」は何画?

 

 

「国語」という漢字が全部でいくらの画数でできているか、数えて下さい。

 

こう聞かれたとき、指を動かすか、筆記用具で紙に書くかして数えるでしょう。

脳にもワーキングメモリーがあり、限界があります。全部頭の中でやろうとすると

限界を超えるかもしれないので、指や筆記用具を使うのです。

 

 例えば、文章や問いを読むときに線を引けと言われるのは、脳のワーキングメモリーが限界を

超えないように、外部(この場合は紙の上)に移動させるためです。

 

(Kotovsky, Hayes & Simon, 1985) も、難しい問題のリストを挙げ、

「外部に記憶を助け、記憶の負荷を減らすようなものが利用できない問題は難しい」と言っています。 

平成30年6月7日(木)

 

どうしたら覚えられるようになりますか?

 

こう聞かれて、

今でも「何度もくり返すこと」という人がいるかも知れませんが、

正解は「自分の経験・知識に結びつけて意味を理解すること」です。(Craik & Lockhart,1972) 

平成30年6月6日(水)

 

『下克上受験』の人

 

 著者の桜井さんとは知人を通して三回ほど食事をしたことがあります。

とても気さくで親切な人です。

桜井さんの「父娘の記念受験」(今は「中学受験研究所」)というブログに、

国語をテーマにして書いてもいいですよと言ってくださったこともあります。

著名人のブログに投稿できるとはありがたい話ですが、

生来不精者の私は結局書かないままになってしまったのでした。嗚呼。

 大ヒットとなった『下克上受験』も、本が出るまでには大変苦労されていて、

十社以上回って没にされたあげく、最後の出版社でたまたまいた社長がOKを出したのだそうです。

2018/06/05(火)

 

線の引き方

 

よく線を引けと言われますが、子どもはどこに引いていいのかわからないので、

むやみやたらに引くか、あるいは、全く引かないかです。

 

線を引いてもらうためには、線の数を指定するとよいと思います。

理想的には、指導者が実際に読みながら線を引き、その数を指定すれば

いいのですが、そうもしていられません。

 

そこで、数を1~3のどれかにするのです。

説明的文章であれば、1か2。そうすれば、テーマと主張に線をひくことになります。

物語であれば2か3がいいでしょう。すると場面転換に引くことになります。

 

そのように実際に線を引かせた上で、後でここにも引けるよと教えて上げればいいのです。 

2018/06/04(月)                    音読か黙読か?

 

家庭で学習するときにどちらがいいか?

 

読解力のレベルによって違います。

 

読解力の高い生徒は頭の中で音韻(音の読み方)を上手に使っていることが示唆されています(Binder & Boreci 2008 ; Chace, Rayner & Well 2005 ; Unsworth & Pexman 2008 ; 森田2006)

 

したがって、読解力が高いなら、すでに音韻が利用できているので黙読、

読解力が低いなら、まだ音韻が利用できていないので、まずは音読するのが合理的です。

 

読解力のあるなしを判断するには、一度音読させてみます。

何度もつまるようなら音韻の利用ができておらず、従って、読解力がが弱いと考えられます。

2018/06/03(日)

 

記憶高進(hypermnesia)

 

家庭で暗記物をやるにはぴったり!

 

覚える作業をしてから、テストをくり返すだけで、成績があがっていく(Payne1987)という不思議な現象です。復習しなくてもよいし、テストとテストの間がある程度

空いても構いません。

これは比較的新しい研究分野で、

日本ではあまり知られていません。一度お試し下さい。

2018/06/02(土)

 

語彙力

 

 語彙力があれば何も教えなくても国語はできます。語彙力のない

生徒に小難しいことを教えてもできるようになりません。文章や問いにわからない

言葉が一つ増えるごとに「等比級数的に」難易度が上がるからです。

したがって、指導者のすることはまず語彙力を増やすこと。これに尽きます。

 しが国語教室では、入試問題の研究から逆算して、各学年に必要な語彙を

獲得してもらうことを教える上での重要な柱にしています。

2018/06/01

幼児教室の宣伝文句について その2

 

幼児教室の宣伝文句等にある誤解の続きです。

 

『大脳の各領域の異なる働きが解明されている』などという言葉もよく聞きます。

 

 しかい、実際は、「脳画像技術の進歩によって、特定の心的活動に対応した異なる脳の領域の活動を画像で把握できるが、そのときの脳内メカニズムは不明である。右脳と左脳の分業も単純に説明できない。大脳の各領域の機能が異なるとしても、脳の特定領域に刺激を与えて鍛えられる証拠はない。(松村2008)」ということです。

2018/05/31

 

なぜ日本人は名刺を出すのか?

 

アルファベットを使う国の人々は文字を見て音を中心に認識(音韻認識)しますが、漢字を使う日本人と中国人は文字を見て形を中心に認識します(形態認識)(水野、他2008)。  日本人はすぐに名刺を渡すので世界の笑いものになっているといわれますが、この形態認識を最大限利用しようとしているのかも知れません。(水野「文字の符号化」『認知心理学の新展開』)

2018/05/30

作文でくり返しを避ける理由

 

記述式の答案や作文の指導をするときに、最初に「太郎君」と書いたら、

二回目は「太郎君」でなく、「彼」などの代名詞を使うように指示しますね(二回目は省略させるときもあります)。

 

 その理由は、読み手がくどく感じるから、なのですが、これは実験でも

証明されています。

 

「太郎君」をくり返す方が、二回目に「彼」と書くよりも

読むのに時間がかかるのです。つまり読みにくいということです(反復ペナルティーGoldon et all.,1993)。

 

 子どもにはこのことを教えて上げるといいかもしれません。

2018/05/29

やる気を持たせるには

 

やる気と自信を持ってもらうためには、問題ができた時のほめ方にももコツがあります。「教えてもらったからできた」のではなく、「力が付いたからできたんだよ」と、能力に自信を持てるようにアドバイスします(帰属フィードバック、Schunk,1983)。

2018/05/28 

 

ちょうどいいレベルの問題を! 

一対一で教えるとき、やる気と自信を持ってもらうことが大切です。そのための問題は難しすぎても易しすぎてもよくありません。難しすぎると「自分はできない」と思ってしまうし、易しすぎると、「自分はこんなに低いレベルだと見られているんだ」と思い、教師に対する信頼感が生まれず、やる気につながらないからです。